交換用シリンダーの中でも最強と名高い「カバスターネオ(Kaba star neo)」。
そのさらに上をいく、最高級のシリンダーが同じドルマカバ社(dormakaba)から登場しました。
その名も「カバスタープラス(Kaba star plus)」。
もともと「カバスターネオ」は最高レベルの防犯性能をもち、鍵登録システムなどによるセキュリティ面も充実しています。
それを上回る「カバスタープラス」とは、いったいどのように進化しているのでしょうか。
本記事では、その「カバスタープラス」と「カバスターネオ」を比較しながら、いかに交換シリンダーとして優れているかをご紹介します。
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「カバスタープラス」の防犯性能は「カバスターネオ」と変わらず最高レベル
まず、肝心の防犯性能に関しては、「カバスタープラス」も「カバスターネオ」とほとんど変わりません。
まぁもともと「カバスターネオ」の防犯性能が最高レベルですからね。
これ以上どうやって上げるんだって話なんですけど。
「カバスタープラス」と「カバスターネオ」に共通する主なスペックは以下の通り。
- ピン配列:5 列最大 26 ポジション
- 理論鍵違い数:約 2 兆 2 千億通り
- 耐ピッキング性能:10 分以上
- 耐鍵穴壊し性能:10 分以上
- 1/100mm の高精度切削
- 鍵登録システム:所有者情報と発注者を照合するシステム
これだけ盛りだくさんですから、充分すぎるでしょう(^_^;)
では「カバスタープラス」が「カバスターネオ」に比べて優れているのは、どんなところなんでしょうか。
「カバスタープラス」が「カバスターネオ」より優れているところ
「カバスター・プラス」が「カバスター・ネオ」よりも優れているのは、大きく 2 つのポイントがあります。
それは、
- 鍵登録システムの所有者登録にトリプル認証が必要
- コアシリンダーだけを入れ替えできるモジュラー機能を搭載
の 2 つ。
詳しく見ていきましょう。
鍵登録システムの所有者登録にトリプル認証が必要
「カバスター・プラス」で採用されている鍵登録システムとは、
です。
その「所有者情報」を登録する際に、「カバスタープラス」では以下の 3 つの情報が必要になりました。
- 鍵ナンバー
- 商品シリアルナンバー
- 暗証番号
「カバスターネオ」の所有者登録でも「鍵ナンバー」と「暗証番号」のダブル認証は必要です。
「カバスタープラス」では、その 2 つに「商品シリアルナンバー」を加えたトリプル認証になりました。
所有者情報を登録するだけでも、かなりの念の入れようですね。
それだけ重要な情報だということです。
スペアキーの注文があったときに、その注文者が本当にそのカギの持ち主かどうかを確認するわけですから。
その元になる情報を、他人が勝手に登録してしまっては一大事!
これくらい徹底してもらった方が安心ですよね。
(実際に登録するときはちょっと面倒くさいですが……(^_^;))
他のメーカーでスペアキーを作るときは、カギ番号さえ分かれば発注できるものがほとんどです。
なので、たとえ持ち主本人でなくても、鍵屋さんや金物屋さんにカギ番号を伝えれば簡単にスペアキーが作成可能なのが現状なんですよね。
今どきスマホさえあれば、簡単に撮影できてしまいますし……。
少しでもスペアキーを作られるリスクを減らしたい!
というのであれば、鍵登録システムは非常に有効だと思いますよ。
コアシリンダーだけを入れ替えできるモジュラー機能を搭載
「カバスタープラス」で初めて搭載された「モジュラー機能」。
これは、
というもの。
シリンダーの交換って、非常に手間がかかって面倒くさいですよね。
ドアの側面からケースを外さないといけないし、そのために小さなビスをいくつも付けたり外したり……。
あぁぁ考えるだけでもイヤになる(笑)。
しかし、「カバスタープラス」に搭載されたモジュラー機能があれば、その手間から解放されます。
コアシリンダーというのは、シリンダーの中でも鍵を差し込む中核(コア)の部分のこと。
それだけをその場で入れ替えられるので、シリンダー交換の手間も時間も(費用も)抑えられます。
メーカー公式の情報では、「2 個同一シリンダーを現場で組む」ことをメリットとして挙げています。
もちろんそれだけじゃなく、単純に入居者が替わったときのシリンダー交換でも手間が省けそうですね。
防犯やセキュリティに直接貢献するものではないですが、何かと便利そうな機能です。
「カバスタープラス」と「カバスターネオ」の概要
ここまで「カバスタープラス」が「カバスターネオ」よりも優れているところを大きく取り上げました。
他にも違いはいくつかありますが、どれも小さなものばかりなので強くは触れません。
あとは、基本的な情報についてザッとまとめてみましょう。
(特に記述がないところは、「カバスタープラス」と「カバスターネオ」共通です)
防犯性能
- ピン配列:5 列最大 26 ポジション
- 理論鍵違い数:約 2 兆 2 千億通り
- 耐ピッキング性能:10 分以上(膨大な理論鍵違い数でピッキングはより困難に)
- 耐鍵穴壊し性能:10 分以上(超硬ピン内蔵で鍵穴壊しを防止)
- 1/100mm の高精度切削:より複雑なキー加工でコピーを困難に
- 鍵登録システム:所有者情報と発注者を照合するシステム
主な機能・特徴
- 耐腐食コーティングでシリンダーの腐食を防止
- コンパクトリバーシブルキー
- すり鉢状キーガイド
- キー5本標準装備
- 選べるキーキャップカラー(「カバスタープラス」は 12 色、「カバスターネオ」は 11 色)
- 鍵登録システム
- 同一シリンダーを即対応 モジュラー機能(「カバスタープラス」のみ)
鍵の不正コピーを防ぐ鍵登録システム
- 所有者情報を dormakaba に登録しスペアキー作製時に所有者情報と発注者を照合するシステム
- Web によるオンライン登録・発注が可能で、より便利により迅速に所有者登録・スペアキー発注が可能
- 従来の書類郵送による登録・スペアキー発注も対応可能
- 所有者登録には、鍵ナンバー・商品シリアルナンバー・暗証番号のトリプル認証が必要となり第三者による不正コピーはより困難に(「カバスターネオ」は鍵ナンバー・暗証番号のダブル認証)
- オンラインで鍵登録・スペアキー発注が可能(鍵登録・スペアキー注文ページへ)
evolo キーキャップ(Legic)装着で非接触に
非接触 IC チップを組み込んだ evolo キーキャップ(Legic)を装着すれば、鍵一本で非接触リーダーとシリンダーに対応。
シリンダーのカラーバリエーション
「カバスタープラス」は 4 色。
「カバスターネオ」は 6 色。
※色は適合機種によって限られます。
選べるキーキャップカラー
「カバスタープラス」は 12 色、「カバスターネオ」は 11 色。
(「パールグレー」以外は同色)
大規模で複雑なキーシステムの構築
- マスターキー
異なる複数のシリンダーをマスターキー1本で施解錠することが可能。 - 逆マスター
共用エントランスなどを複数の異なる個別キーで施解錠。 - クロスマスターキー
マスターキーあるいは個別キーで別グループの特定の鍵を操作。 - コンストラクションキー
工事期間中は業者用キーで操作でき、工事後は業者用キーを無効にすることが可能。
「カバスタープラス」と「カバスターネオ(Kabastar neo)」の比較まとめ
本記事では「カバスタープラス(Kabastar plus)」と「カバスターネオ(Kabastar neo)」を比較しながら、その特徴をご紹介してきました。
これらのシリンダーが、防犯性能やセキュリティ面でどれだけ優れているか、おわかりいただけたでしょうか。
また、「カバスタープラス」と「カバスターネオ」の違いについても、
- 鍵登録システムの所有者登録にトリプル認証が必要
- コアシリンダーだけを入れ替えできるモジュラー機能を搭載
という 2 つのポイントをご紹介しました。
「カバスターネオ」でも充分にトップクラスの防犯性能ですから、どちらを選ぶか悩むところですよね。
価格は「カバスタープラス」の方が高めなので、ご紹介した違いにそれだけの価値があるかどうか、というところが判断の分かれ目になりそうです。
じっくりとご検討ください。